“Dubey & Schaldenbrand” ダービー・シャルデンブラン★Cal. 51 クロノグラフ

 1946年、突如として現れた”Dubey & Schaldenbrand”ダービー・シャルデンブラン

マニュファクチュールを越え、本当の意味でのモジュラーを確立し、あえて複雑時計

という世界に飛び込み、自社独自の機能を開発し、特許に拘ったある意味での

現代のマニュファクチュールの姿がそこに存在した……….


1940年代、世界大恐慌から脱し、ようやく光が差しかかり始め、スイスでは、新しい烽火を上げる数多くのスイス時計ブランドがあった。当時、1928年から始まったムーブメントを製造販売する専門エボーシュメーカーの乱立によりスイス政府が打ち出した”エボーシュ連合”の強化で、マニュファクチュールからモジュールという新たな挑戦が始まり、各メーカーが、技術力を高め、エボーシュを自社で調整し独自性を打ち出していった。そんな中、エボーシュ史の中で、エボーシュ連合参加企業が15社となり、一番盛んとなった1940年代後半、当時時計技師として活躍していたジョージ・ダービー、レネ・シャルデンブランの二人が中心となり、数人の時計技師の仲間を加え、1946年誕生したのが、”ダービー&シャルデンブラン”である。創業当初からクオリティーに拘り、技術力を最大限に生かす為に”複雑時計”という分野に挑戦し、創業から5年たらずで、スプリットセコンド、クロノグラフ、フライバックなどを独自のモジュラーとして技術力で、新しい機構を開発し、20以上の特許を現実にとっている。

そんなダービーから今回、ご紹介する一品は、1946年に、それまでクロノグラフ機構の中でその開発に最高レベルの技術を要したとして言われるスプリットセコンドを独自の独得な考えに基づき開発した伝説”インデックス モビール”の復刻モデルをご紹介したい。

当然、センタースプリングをダイアル上に擁したその独得な様相は、誰しもダービーワールドの世界と認識できるほどの存在感は言うまでも無いが、バックケースのスケルトンのサファイアクリスタルから覗けば、そのダービーの技術力とユニークな発想が満喫できるこであろう。そのとおりクロノグラフを稼動させ、大いにその駆動を心から楽しむ。

ダイアル上のセンタースプリングと連動するロノグラフ秒針と通常のクロノグラフ秒針とを装備し、メインクラウン中心部にある飛出たクラウンプッシャーを押すとムーブメント内のスプリットレバーが、ブリッジ上のバネで制御された通常のクロノ秒針に連動する芯を押し上げ、通常のクロノ秒針自体も押し上げることにより2つのクロノ秒針の連動を解き、センタースプリングと連結されたクロノ秒針だけが動くしくみとなっている。当然、クラウン状のブッシャーを押し続けることで、ブリッジ上に飛出た芯を押し上げ続けるのでひとつのクロノ秒針だけが動き続け、そのプッシャーを放すことで、その芯は下がり、2つのクロノ秒針が連結し同時に動き始めることとなる。これはムープメント内にその機構を組み込むマニュファクチュール的考えでなく、エボーシュをいかに最大限に利用すかというダービーならではのモジューラー的発想がこのような伝説的名機をこの世に誕生させたのかもしれない。そのダービーの1940,50年代の良き時代を思い起こさせるようなクラシカルな金メッキされたケースは、ベゼルから突き出るかのようにラグが鋭く飛び出しラグノ先端まで優雅な曲線を描き出している。当然ダイアルもベース指標となる目盛りを青くし、タキメーターの目盛りを赤くすることでより古き時代にタイムスリップしたような雰囲気を味わえること間違いないであろう。

【コンディション】
日差±20秒、ゼンマイ、ガンギ、テンプのチェック済みの最高の一品のムーブメント3ヶ月保証お付けいたします。全くの無傷、使用痕の感じられないほど最高の一品です。