銀無垢エベラール★Cal.7760 ムーンフェイズ★スモールセコンド

 自社でクロノグラフ、そしてフライバック機能まで自社で開発したが、その開発がブライトリング、そしてロンジンに遅れをとったただけで世界の称号を手に入れることが出来なかったメーカー”EBEHARD & CO/エベラール”。ほんの少し早ければ今頃、世界一の称号を手に入れたのかもしれない。そんなことを証明させるかのようにエベラールが、当時クロノグラフのマニュファクチュールであったことを現実的にアピールする為に1995年に発表したモデルが、自社マニュファクチャー”Cal.310.82″を搭載した復刻モデルであろう。
そして今回、ご紹介させて頂く逸品は、その復刻モデルの中でもマニュファクチュールとしての最大の魅力とは別に他社のムーブメントを自己流にモディファイしてしまう高度な技術を証するかのような最強モジュラーとしての魅力をふんだんに表現した復刻モデル”Ref.2253″をご紹介したい。
まず驚きなのは、やりすぎでしょう….と言わんばかりのダイアル表示。1930年代を思わせる独特の透明感のある味わいを感じるポーセリングダイアルには、クロノグラフはもちろんの事、ダイアルコーナーに描かれた1～31日までのデイト上を示す為にセンターにポインターデイト針を装備し、12時位置の30分積算計インダイアル内にエベラールの母国であるイタリア語の曜日と月表示をカウンター表示で表現し、6時位置の12時間積算計インダイアルに月齢を意味するムーンフェイズを小窓で表し、挙句の果てに9時位置の永久秒針であるスモールセコンドにセンターの時針と連動する24時間針を装備させている。それが手巻きであるから半端ではないモジュラーパワーを感じることができるほどの様相。当然、そのクオリティーの高いホーセリングダイアルを大事に抱え込むケースに秘められた思いは”925″という刻印に託されたかのように銀無垢という世界をハンターというとてつもない世界で表現し、1930年代の高級懐中時計を思わせるインナーダストケースまでご丁寧に装備されているではないか…そしてバックケースのハンターを開け、更にダストケースも丁寧に開け、そのモジュラーの思いを確かめる為に覗いた先は、往年の自社キャリ”310キャリ”を想像してしまい期待しすぎてしまった感もあったが、バルジュー社のご存じ”7750″を手巻きとして改良した”7760″を丁寧にモディファイした感もしっかり窺え、独特のセンターブリッジに黄金色に刻まれた”EBERHARD & CO”の刻印を確かめながらクラシックな”オリオンクラウン”でゼンマイを回し、クロノグラフを作動させ駆動し始めるムーブメントの様は、確かに1878年創業のクロノグラフにかけたエベラールの思いとブライドを感じとることが出来よう。


【コンディション】
日差±60秒、ゼンマイ、ガンギ、テンプのチェック済みの最高の一品のムーブメント3ヶ月保証お付けいたします。クロノグラフ、トリプルカレンダー、ムーンフェイズ完全稼動、エナメルのポーセリングダイアルには全くのクラックも無く最高の状態である。銀無垢ケースには極少のキズはあるものの、目立つキズの無い最高の状態とも言えよう。