1950年アーカイブRef.2454★パテック フィリップ★18金無垢シャンパンゴールド クロウラグ Cal.12-120

伝説と言われる”Ref.1415″ポーセリングワールドタイム、そしてカラトラバ伝説の象徴たる”96″の世界……パテックフィリップという固有名詞を世界的バリューとして導き、名作と言われる数々のモデルを世に送りだしてきた。それらはすべて、直径26.75mm,厚さ4mmという世界から始まった…..

Cal.12-120

2番車、3番車を固定するブリッジが大きく湾曲しなでらかな曲線を描いた美しい”ジュネーブ様式”の伝統を引き継ぎ、究極の美へと導く….18世紀、ジュネーブ学校の教授であったロジェール・ビュゾーが描き創造したこの様式に見入れられたように、1年間の2/3が雪で閉ざされたスイス、ジュネーブで創造され、明方のジュネーブ湖畔の静まり返った湖畔に一滴の雪解けの水滴が葉から零れ落ち水面に広がる波紋を描き写し、それを刻んだ”コートドジュネーブ”がこれほど似合うキャリバーはないかもしれない。そこにビジョンブラッドのエクストラルビーの色合いを証するルビーまでもオリーベ加工され、そのルビーのトップまでも曲面に磨き込まれた”ミグラス加工”をも施し、美という世界にとことんまで当時の職人が挑んだ妥協を許さない細かすぎるディテイルを感じる…….

6mmオーバーのカラトラバ十字を背負ったクラウン(リューズ)を回したとたん、動き出すガンギ、テンプの協奏曲は、デカメのチラねじへと伝わり、ブレゲひげゼンマイとの美しい共鳴が聞こえる、そこから伸びる先に見得る2.5mmのビーンズブレートのヒゲ持ちすらにも妥協を許さないアングラージュを施し鏡面の美しい輝きを放っている。そしてそのテンプの隙間からは円の中心に円が綺麗に重なり合うという全くムラの芸術的究極美、言葉にならないその現実に当時の職人の魂を体で感じ、人が成し得る技の限界への終着の無い真の姿がそこにはあった。

とてつもない現実は、12-120キャリという真実に恥じない様相として今回の逸品が主張する現実も半端ではなかった….33.5mmに2mmの厚さと6mmオーバーのカラトラバクラウンが当時では考えられない大きすぎる存在感を魅せ、フロントから撫で見入ることが出来るようにケースサイドに深い段差をつけたステップを施し、そのステップをアクリル風防とのジョイント部分から真っ二つにケースを断ち切るように鋭く表現したラグが存在価値を限界へと導き始める。それはより鋭く、そして鋭利に、伸び出で、明らかにこの一品が、選ばれし逸品であることを誰しもこの逸品を見た瞬間、気付くはずであろう。そして最後に、この逸品を見てお伝えしたい。真実は信じられないほどの苦労と忍耐の上に成り立ち、そしてそこに創造された世界は美しさしか存在しないことを…それは、幾年経とうが語り継がれるべきであることも…….