ヴァシュロン・コンスタンタン Cal.1003 レキュタンギュラー

メドール形状を細かくエングレービングされたギョーシエの彫金ケースは、その凹凸が放つ不思議な世界へと見た者を引き込む。光の角度によりその光度を変え、時にそれが放つ色さえも変えてしまう。そんな今回ご紹介する一品は、”25㎜×38㎜”という当時としてはスタンダード的サイズをスクエアー18金無垢という贅沢な表現方法で表し、エレガントな世界を形に変えた象徴的存在価値を見出している。それはダイアルにおいてもエレガントである為の最大限要素であるシンプルを素直に表現したローマンインデックスと２針でこの一品の真なる素晴らしさをこれでもかと主張しているようである。
それは当然、この動力にいたるキャリバーストーリーが、本当のすごさをバックケースを開けた瞬間に伝え始める。
目が開けれないほどの内なるオーラの輝き……..
伝説と言われたキャリバー”1003″。1881年、オーデマ・ピゲが惚れこみ、そして今年、バセロンが限定で”1003キャリ”をスケルトンナイズし搭載した”メティエダール(2772万円)”を発表し話題をさらった。1955年バーゼルで、バセロン･コンスタンチンが、ドレスウオッチとして世界最高峰であることを改めて、世界にしらしめた瞬間と同時に誕生した”1003キャリ”は、当時、創業200年という歴史の重みをジャガー・ルクルトの技術とバセロンの徹底した調整への執念を、1.64mmという薄型キャリバーに込め、デカめのチラネジとブレヒゲゼンマイの舞いをビーンズプレートの美しさで表現し、芸術の域に達したと言われ、センターブリッジに一際輝く400年の重みを感じる”ジュネーブシール”認定を当然の如く証するとてつもない存在感、みごとにアングラージュの曲線美をパーツ1つ1つに施し、ジュネーブ湖畔を、コートトドジュネーブとして表現し、ペルラージュへの拘りとしての当時の職人魂の熱い思いを感じ、そしてテンププレートに光るインカブのルビーゴールドシャトンが、まるで”マルタ十字”のように写しだされ、すべてが宝石箱のような世界であり、誰しも魅了することは、間違いない。そして、1755年の創業からのバセロン・コンスタンチンの歴史の中で、最高峰としての称号を与えられたことはゆるぎない事実であることを皆様にお伝えしたい。