幻☆カレンダーマティック★ジラール・ペルゴ★Ref.6083☆Cal.44BF ステンレススティール

バンパーローターを基本軸とし、鋼鉄バネの代わりに半回転ローターの先にバッファを取り付け、衝撃を無くす…その動力は、中心の二つのホイールで一つの整流に流し、一定方向に巻き上げ、クリックでその巻き上げを押さえていく。確実に巻き上げるこの機構は、イギリス時計技師でもあった”ジョン・ハーウッド”より開発され1924年スイス特許庁で認可され翌年” ア・シールド社”のもと生産が開始された。この世界初となる自動巻きであり、最初の自動巻はバンパームーブメントは、株式投資ではなく生産、販売する権利を販売する形となり、フォルティス社とブランパン社が販売権を手中に収め、当然自動巻きという機構は独占市場となりロレックスが独自で開発したパーペーチュアル誕生までの10年近く待たなければならないこととなった。その後ジョン・ハーウッドのハーウッドセルフワイディングカンパニー倒産により”ア・シールド社”と”フォルティス社”に引き継がれ、1935年、ア・シールド”612キャリ”をベースにハーウッドの自動巻機構が応用され”1049キャリ”が誕生した。これによりほとんどのスイスメーカーがア・シールド社の機械を導入し自動巻モデルの開発に着手、その後ア・シールド社にガンギ車を提供していたミドー社も独自に生産ラインを設けア・シールドの1132をベースに”0916キャリ”の生産に踏み切り、40年代に入ると自社開発バンパーとしてシーマ社が420、エテルナ社が1033H、グリュエン社460と、ロレックスのパーペチュアルとは別にバンパー式自動巻機構は本格的な自動巻の主軸となり本当の自動巻の時代が到来することとなった。そして自動巻の進化により、複雑な機能を搭載し、トリプルカレンダーモデルが登場することなった。その先駆けはいわずと知れた1946年に誕生したバンパーキャリ”220系”を搭載した”カレンドマティック”である。それはマニュファクチュールモバドの自社キャリとして開発され、他スイスメーカーに多大な影響を及ぼした。そんなモバドのカレンドマティックに影響され同じマニュファクチューとして自社バンパーの開発に一歩出遅れる形となった”ジラール・ペルゴ”の最高の逸品をご紹介しよう。それは1948年に誕生したが、その様相はブレゲナンバーをゴールドのプレートでアフライドとして立体的に表現し、アルファー針で均整整ったまとまりのあるトリカレフェイスとしてジラール・ペルゴらしい品のある風格を残した。しかし、すべてを見通し、眺めるとそのステップをつけた、ラウンドのステンケース、スクリューバックモデルに装備されたマッシュルームクラウンと、見れば見るほどモバドワールドそのものである。1948年、ア・シールド”キャリバー1302″を搭載し、モディファイリングのジラールの技術力を魅せつけるようにモバドに対抗し発売され、世界の人々から根強い指示を受けた伝説モデルである。力強く、そして品格をも伴い、複雑という技術的な芯のあるモデルとして今もジラールコレクターからは幻とまで言われ語り継がれるモデルであること間違いない。