エルプリメロ伝説Cal.3019CH クロノグラフ★モバード デイトロンHS360★1974年IBW ステンレススティール

1881年創業してから、複雑時計のマニュファクチュールとしてユニバーサルと肩を並べてきたモバドであるが、1960年に入り伝説クロノグラフ名機”95M”自社キャリを開発して間もなく、80年以上続いたディーテシャイム一族が経営を退いたことからゼニス資本傘下への道のりの中で、伝説エルプリメロへモバードのDNAが入り込んだ一品……

その名は『Cal.3019PHC』

30mmキャリを意味するその名にどれだけの人々が魅了されたことか。

今回、ご紹介するのはモバード最後の栄冠、”デイトロンHS 360″のご紹介。ゼニスでは、その名をエルプリメロと称したが、モバードのデイト付きクロノグラフ、そしてハイクオリティー36000振動の意味するそのシンプルな名の通り、小さめのテンプから発する36000振動のモンスターのうねり声は、精度への挑戦を諦めない当時の職人達の思いが詰まっているような雄叫びを最高なローターの感触とともに感じる事が出来る一品であることをまずは、お伝えしたい。
そのハイビートの雄叫びとは裏腹に、そのシンプルなデザインは、希少な大人の色合いをかもしだすタキメーターをブラックラインとしたクリームインブラック。ダイアルにブラックの大きめな3クロノイン溝ダイアル、そして12時位置に配するデイトウィンドゥ以外何もないシンプルなデザインであり、飽きのこない一品としての特徴を十分に発揮している。そしてケースは当然、年代問わず自然な装着感を魅せる男らしいメタルカラー”ステンレススティール”のなめらかな曲線を男の色気漂う一品として仕上げている

1881年、若干19歳であったアシール・ディーテシャイムは、小さな工房から初め、6人の従業員の仲間達と徹底したディテイルに拘り、時計職人としての名声を高めていった。1899年には当時のクロノメーターの前進でもあるスイス公式検定局で30のムーブメントが合格し、翌年、歴史上時計メーカーが最大に参加したとも言われる1900年のパリ万博で銀賞を獲得し、世界に始めてディーテシャイムの名が知れ渡り、1905年にモバドを正式名称とし、独特なデザイン、そして正確なムーブとしての信頼性から、いっきにモバドのマニュファクチャーとしての世界的地位をあげていった。その後、怒涛の伝説が続き、1910年、パリ、ローマ、ブリュッセル、およびリオデジャネイロでグランプリを獲得し、その後、独自のマニュファクチュールとして歩むことになっていき世界にその名を知らしめた複雑時計としての絶対的地位わ確立した”Cal.475キャリ”などの”カレンドマティック”、そしてクロノグラフにおいても世界三大クロノグラフと称される”95M”などの自社キャリ名機を開発し、クロノメーター仕様など多彩な派生を誕生させたキングマティックなど、当時、複雑時計としいて名を馳せたユニバーサルと肩を並べる複雑時計のマニュファクチュールとして黄金時代を築いたが、1960年代、ディーテシャイム一族から経営が離れ、ゼニスの傘下として、モバドの伝統であるクロノグラフ製造の技術を偉観なく発揮し、ゼニスの伝説時計士シャルルベルモを中心に世界初自動巻きクロノグラフ(実際は、ホイヤー、ブライトリングのCal.11より4ヶ月遅い)”Cal.3019PHC”は開発された。しかし、翌年、クオーツショックにより、ゼニス経営陣が、選択した事はその設計図を処分する事とクォーツの開発であったが、シャルルは開発に苦労した仲間を誇りとし、その設計図を捨てる事は出来なかった…そして1985年、シュルルベルモの思いは叶い、復活した…『Cal.3019PHC』