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MODEL | メモボックス エリプスケース |
MOVEMENT | Cal.825 |
AGE | 1960年代 |
MATERIAL | ステンレススティール |
SIZE | 36mm(クラウン含めず)×46mm(ラグ to ラグ) |
不動角差15度の真実..★ジャガー・ルクルト メモボックス★伝説Cal.825バンパ ステンレススティール
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腕に嵌めた瞬間から感じるそのとてつもない魂が宿っているかのような衝撃的な振動、腕を動かす度にそれは私を疑いの世界へと翻弄させていく。静かに、そして丁寧にその音を確かめるように耳をそのケースに当ててみる…ローターが両サイドの鋼鉄バネを叩くバンパーというガツンとくる衝撃音、そしてその振動とは全く違う音もそこには存在していたことに気付く。カラカラという擬音が正しいかどうかは分からないが、確かにその中からアルミの軽量感がそのままサウンドに変えたその憎々しいほどのキュートな囁きが、その衝撃音と重なり確かに聞こえた。アラームのゼンマイを巻くことでそのケースからインサイドに飛び出たスティックをアラームハンマーが叩きアラームを奏でていくが、20秒というアラームの鳴動時間が終わった時、それはトルクを失い軽い衝撃音を出す。 31.64mmという径をカバーしてしまうほどのローターが基本ベースとなる手巻きの機械に取付けられたように、伝達車を通じ歯先のついたアームが一方方向へと整流していく、そのローター、アームを固定するブリッジが更に上に取付けられる。そして出来上がったメカニカルの様相は7.5mmという信じられない高さとなりそびえ立つ。ありえない光景…その平ヒゲではありながら勢いよくガンギ、アンクルから受けたそのパワーを漲らせるチラねじテンプは、2mmしかない空間を開いたアラームハンマーと共に共鳴していく。その存在は更に不動角差15°という疑うほどの数値を叩き出す……. この逸品に出会った時のこの感動と衝撃は今でもよく覚えておりアラームというひとつの機構がこれほどまでに人の心を人生を変えてしまった一品はないだろう。現に私がこの世界で生きていこうと決心したのも、今思えばこの逸品との出会いがなければなかったかもしれない。そして後、このキャリバーの誕生までの壮絶なストーリー、そしてそこから生み出された数々の伝説達の真実を知ることで更なるルクルト社への思いが高まっていったことを私は忘れない
1914年、世界で初めてアラーム時計として特許をとったエテルナの42 203アラームから世界は始まり、アラームゼンマイを別に装備し30秒というアラーム時間に成功した『アラームの父』と呼ばれたヴァルカンの”ロバート・ディティシャイム”新生アラーム腕時計”を開発をしてから様々なメーカーがそのアラームに魅せられ独自の機構を開発していった。それはロバート率いるヴァルカンから始まり、マニュファクチュールとしてシーマ(Cal.R464)、ユンハンス(Cal.301)、ランゲドルフ(Cal.1241)、そしてエボーシュメーカー参入により安価なエボーシュとしてほとんどのメーカーが使用したア・シールド(Cal.1475)、更にヴィーナス(Cal.230)までもが開発に着手し手巻きのアラームの壮絶な開発、そして販売合戦が繰り広げられていた。当然ルクルト社も1949年に自社キャリCal.489を開発、インカブロックの強化により2年後自動巻アラームのベースとなるCal.814に姿を変えていった。それは後偉大なキャリバーを誕生させることとなったが、当時未だルクルト社は商標登録は取得しておらずその機構そのものとして”WRIST ALARM”として5年の月日が流れることとなる。そして1956年、偉大なる自動アラーム”Cal.815が誕生することとなる。Cal.814をベースに完成された世界初とな自動巻アラームは、今までルクルト社自体が培ってきたバンパー式自動巻の集大成となりそこに初めて商標登録として”MEMOVOX/メモボックス”が誕生する。そして3年後の1959年、そのCal.815にデイト機能を装備したジャガー・ルクルト最後のバンパー自動巻となる”Cal.825″が誕生した。