1902年頃製造★オメガ★14金無垢ハンター”エングレービング”ケース フェイス高級彫金仕上げ OMEGA2309660

19年頃すらスイス時計の威厳とそのクオリティーの高さをもとにスイスブランドは、スイス時計を手本としてきたアメリカという地にその販売網を広げてきたことは間違いないが、当然そのクオリティーの違いは時計の歴史を担ってきたスイス時計ブランドが格上だったと考えられるが、アメリカ時計の歴史＝鉄道時計というように精度に対し天文台コンクールでの競争の中で向上してきたスイス時計ブランドとは違い、ある事件をもとにボールスタンダードという鉄道の歴史で実用的な向上を目指して来たアメリカブランドとの違いは、もしかすると歴然と違いがあったのかもしれない。当然、基本となるのはスイス時計の基本的な構造であるが、そこに独自の精度、耐久性関しては天真の先にダイヤの受石を施したダイヤモンドエンド、より精度の微調整を行う為の星型の緩急針であったりと独自の世界を創りあげてきたことは間違いない。その中でも最もスイス、アメリカとの違いは、そのムーブメントのブリッジに施したエングレービング模様である。19世紀は基本、金メッキ加工した真鍮の粉を細かく砕き、それを吹き付け更に磨くことで独特の金細工のような繊細模様施したものが基本であったが、いつしかスイス時計はジュネーブ湖の湖畔に広がる波紋の模様を施した“コートジュネーブ”となり、アメリカは　　　　　のストーリーとするようにダマスキンと呼ばれる装飾法となる。どちらが美しいかは難しい判断であるが、アメリカでは、スイスの聖地を象徴としたコートドジュネーブは、今一であったのかもしれない。それを証明する一品が今回の一品である。
スイスブランドとしての威厳を最も強く持ったと言っても過言ではないオメガは、19年頃にいち早くアメリカ、ニューヨークに拠点を築いているが、今回の一品はメイドインUSAである。ケースはその後、スピードマスターでオメガを世界一に押し上げた立役者ともなったアメリカケースメーカー”ワズワース”。当然、機械はオメガ社のものであり、間違いなく、伝説”Cal.”を引き継ぐ”Cal.”がそこには存在するが、そのムーブメントに施された模様はコートドジュネーブではなくダマスキンである。当然その魂はケース全面に施された彫金からも見て取ってわかるほどである。
フロントケースには、一見ひとつの模様として見えるが、良く見ると三つのエリアに分けられ、一つはお花畑のような満開の花、二つ目は花一つ一つの美しさを描き、最後は力強く根本から生え出した葉っぱの模様を描いていた。しかし更によく見るとセンター部分には4つ目のストーリーとして家が建っている模様が繊細に描かれていた。その信じられない光景はハンターのバックケースに施され、センターには家の代わりにイニシャルか掘られている。さすがに見ているだけでその絵に引き込まれそうになりほどである。その意味を深く考えれば考えるほど哀愁が漂ってくる。そんな今回の一品、当然テンプしブレゲヒゲゼンマイ、天輪は昔ながらのスティールと黄銅を重ね合わせ、切込みを入れたバイメタルの切りテンプ、何度も言うがアメリカの魂であるダマスキンを施し、スイス時計がアメリカで成功する為にプライドを脱ぎ捨てた歴史的意味を感じることか出来よう….