幻の逸品…Ref.1192★ブライトリング フットボール インカブロック★Cal.188

1923年、ベルン州の小さな村で産声をあげ、後スイス、いや世界最大のクロノグラフを中心にしたエボーシュメーカーの一つとして歴史にその名を刻んだ” Fabrique d’Ebauches Venus S.A”通称”ヴィーナスSA”。10.5ラインの名機”Cal.103″ファーストクロノグラフキャリを皮切りにCal.131.140,15010.5と続き、10.5ライン名機”Calを.170″を誕生させた。 1966年にその歴史は、当時ASUAG同グループ内エボーシュメーカー”バルジュー社”へと引き継がれたが、その創設ストーリーは、1949年から1966年までののラストヒストリーとして開発された”Cal.188″が、現在もETA社の神髄となっていることは間違いない。
そんなヴィーナスSAのストーリーを感じさせる逸品が今回ご紹介するブライトリングの逸品ではないだろうか。

Ref.1192…….”Foot Ball” INCABLOC

1950年頃に誕生したこのモデルは、ヴィーナス、ラストキャリバートなった”Cal.188″をブライトリングが自社でチューニングを行い、特にテンプ周りへの拘りは、それまでの耐震機能を備えていない”Cal.188″に対し、耐震最強と謳われたインカブロックを採用、耐衝撃に対してダイアルに”INCABLOC”を表示し、その耐衝を最大のメッセンジャーとしてダイアルに”Foot Ball”のペットネームを刻んだ。当然、その名の如しその様相は、30mm径のビッグキャリとしても名高い”Cal.188″を選んだこともわかるように、フットボールの伝統を男らしく、そして優雅に表現する為に、ケースは37mmのジャンボとなり存在感はくどいほど、しかもそのケースから飛び出たラグ自体も1cmとなり、、見た者の脳裏から離れられない信じられない形相となる。そこにブライトリングならではのタキメーターのブルーゾーン、テレメーターのレッドゾーンを繊細に描き、そのインサイドにアプライドのローマンナンバーとスピエアーインデックスとのフライング表示でダイアルをより繊細に表現し、そこにブライトリングの”B”のマークがアプライドに表現することで、この逸品が特別な思いで創造されたことがひしひしと伝わってくる。それも今回の一品はダイアルが60年の時を年輪として語り、経年のヤケがダイアル全体にみごとに広がり、味わい深い哀愁の想いとなっていく。ここに存在するのが幻かと思う逸品、そんな最高の逸品を手に入れるあなたも必ずやすばらしい人生を手に入れることは間違いないだろう。
そしてブライトリングが、1941年”世界初回転計算尺を備えた”クロノマット”プロトタイプ発表を期にヴィーナス”175キャリ”、そしてナビタイマー搭載”Cal.178″を向えることでブライトリングの黄金時代へと突入し、世界の航空時計として抜き出るものがいないほどの存在となったが、ヴィーナスSAがクローズに伴い”Cal.178″生産終了となった1966年、世界初自動巻クロノグラフムーブメントプロジェクトが発足したのも事実。それはまさしくブライトリングにとって、ナビタイマーを存続する為に、他エボーシュの選択よりも自社ムーブメントを開発するしか道がなかったのか、それは1969年、20種類のモデルに搭載された世界初自動巻クロノグラフキャリ”Cal.11″が当時世界最大のケース径”48MM”を誇ったモデルとして選んだのが”ナビタイマー”であった。しかしそれはクオーツショック、オイルショックに伴い、莫大な開発資金の返済が残り、暗雲の道のりのきっかけとなったのも事実であろう。そしてヴィーナスが存続していれば、もしかすると現在もブライトリング一族は存続していたのかもしれない。それは現在、その真実は誰もしる由も無いが、今回の一品が搭載する”Cal.188″のテンプの下に深々と刻まれた”☆”のヴィーナスの紋章だけはその事実を今も尚、語り続けていることも知ることとなろう……

【コンディション】

日差±60秒、ガンギ、テンプ、ゼンマイチェツク、注油済みの3ヶ月保証お付けいたします。ダイアルはヤケが全体に綺麗に出ている最高なアンティックコンディション。ケースは小キズはあるが、年代からしてもかなり美品とお伝えしたい。