1918年幻…銀無垢★BIRCH & GAYDON LTD (バーチ&ゲイドン) ゼニス★ポーセリング Cal.18 1/2

ブリティッシュの最高リテイラーとして名高い”ASPREY/アスプレイ”。1781年創業し、ビクトリア女王がこよなく愛し、ブリティッシュとしての格式の高さ、そしてその品質に拘り独自のオーダーメイドシステムを導入し、今日もタイムピースに関しても、そのクオリティーと英国スタイルを残した確かなデザインで、限定モデルを中心に自社モデルを発表している。そんなブリティッシュの魂とも言われる”ASPREY”に無くてはならない存在として、その高い銀細工などの高い技術を後年、アスプレイに捧げ、当時アスプレイに匹敵するほどの名としてイギリス全土に響かせたリテイラーが存在した…..

『Birch & Gaydon/バーチ&ゲイドン』….

今回ご紹介するこの偉大な名を配したタイムピースが物語るように、1861年、ロンドンの宝石商が立ち並ぶ153フェンチャーチストリートに始まり、Mappin & Webb/マッピン＆ウェッブ、Garrard/ガラード、そしてAsprey/アスプレイと並ぶブリティッシュ最大の宝石商として名を連ねたが、1960年頃にアスプレイに吸収され、その歴史に幕を閉じ、現在はその名は歴史の闇に埋もれていったふしもあるが、当時、未だ時計メーカーがリテイラーの一部としての役割が強い時代、ロレックス、ロンジン、IWCなどもバーチのその名に自社の製品の命運をかけたこともあったほどのリテイラーであったとおり、今回の一品もマニュファクチュール”ゼニス”が、渾身の逸品として” Birch & Gaydon/バーチ&ゲイドン”として販売したモデルである。当然、その魂は、純白の光沢のあるポーセリングダイアルに刻まれた” Birch & Gaydon”の名、そしてその名門ストリートの名以外にスモールセコンドに配した”LAND&WATER”、そしてセンターに一際目立つブルースティールのコブラハンドにその魂を託しているかのようである。
そしてその名が語るように、ねじ込みが深いスクリューバックとした当時としては希少すぎる当時のロンドンを象徴する砂煙りが舞う日々の中での防塵(LAND)、そして雨の多いロンドンでの防水(WATER)としての役割を果たす為の意味を成す最高のシチュエーションたるペットネームを託し、その思惑はそのスクリューバックのインサイドの刻印が示すとおり、1914年のヒストリックマーク、そしてゼニスのメーカーマーク、グラスゴーの港から輸出されたインポートマークが有り、それらからも解るとおり時計メーカーとして最大の販路拡大となる第一次世界大戦での軍用としての役割をアピールしていることが伺える歴史的価値としての逸品ではないだろうか。そしてマニュファクチュールゼニスの最大のメインたるキャリバーは、1905年に誕生してから50年以上の間、マイナーチェンジを繰り返してきた”Cal.18 1/2”ライン。まず目に飛びこんでくるのはその真鍮の粉を細かく砕き、その上から金メッキを施す技法で美しさと共に高い耐久性を誇る。そして受け石のビジョンブラッドの天然ルビーがオリーベたる曲への拘りで保油率を高め、バックラッシュの為のゼニス独特のスワンネック型の緩急針がみごとなまでの美しさの象徴としている。当然、そこにはチラネジを纏ったスティールと黄銅の違うメタリアル重ね合わせ、そこに切り目を入れたバイメタルの切りテンプの感動の造形ストーリーが、18000振動のロービートに合わせ静かに心の中に響いてくる…….

【コンディション】

日差±60秒、完全OH済みの最高の一品。ムーブメント6ヶ月保証お付けいたします。ダイアルはポーセリング独特のクラックも一切無く最高のコンディション、そしてケースは、小キズはあるが、年代的にみても驚く歩度のコンディションである。