奇跡のオリジナルブラックダイアル★ゼニス★伝説Cal.149DPクロノグラフ1960年代

1865年ジョルジュ・ファーヴル＝ジャコがル・ロックルに創業し、当時、ルクルト、ロンジンと並び、世界三大マニユファクチュールとして、自社ムーブメントの対して徹底した開発への魂を注ぎ込んできたが、その中で、唯一の自社クロノグラフキャリとして名高いのは、1946頃の当初、エクセルシオパーク、ユニバーサル・ジュネーブをベースとした”146、156キャリ”であろう。そしてそれは、いつしか”285キャリをベースとし、”146キャリ”へと統一されていったが、1967～79年頃、ゼニスが自動巻きクロのグラフを世界で始めて開発するはずであったであろう年の直前に、ゼニスが、146DPキャリとしてリリースさせた。しかし、146DPキャリのパーツへのディテイルの拘りは、146キャリのクロノグラフ機構のパーツをすべて、量産できるように変更している。

今回の一品は、まさにその1969年頃に146キャリをリリースさせ復活させたクロノグラフモデルであり。当然、このモデルは、かなり少ないことは言うまでもない。

まず一目見て、気付く方もおられるはず。クロノグラフ機構部分のパーツすべてに厚みを失くし、面取りを施さず、その分、落ちる耐久性に対し、パーツを大きくし、特にリセットハンマーに関しては、2倍ほど大きくなった分、ハートカムを小さくしている。退行したと言われても過言ではないこの現実は、何を意図しているのか。1969年というゼニスにとって節目に見える年にこの事実と向き合うのはちと難しいかもいれない。

しかし瞬間に目に止まる独特のコスメティックのクオリティーは高く、そのの風合いは、マットブラックを基調としたベースカラーにホワイトカラーの2レジスターイン溝ダイアルを配し、60年代から70年にかけての独特なクロノグラフ”カマボコプッシャー”、そして60年代後半から70年代にかけて突如として発生したゼニスの象徴である☆印の中にZENITHのZの頭文字を取り入れたクラウン、更にバックケースにエングレービングされたゼニスクロスエンブレムが、この一品をゼニスの謎の秘めるたる70年代初頭の職人の心が伝わってきそうである。

新しい機構の開発ラッシュ、そして突然世界を襲ったオイルショック、そしてスイス、アメリカ時計業界をどん底に落としいれたクォーツショック、すべての現実が重なり合ったこの年に、何があっても不思議ではないような気がするが、当時、苦しい経営の中で、ゼニスの経営陣が出した答えは、機械式時計の廃止であり、クオーツの開発であったのは事実であり、その中、1969年10月に開発された自動巻きクロノグラフ”エルプリメロ”は、翌年廃止されたが、今回の一品の”146PD”モデルは、1975年頃も販売されていた事実は、真実であることをお伝えしたい。146キャリが倉庫で在庫として残っていたのか、はたまた、真剣にニューモデルとして販売されたのか、もしかして、ゼニスの経営陣に、内密にされていたエル・プリメロ再開発の夜明の為のカモフラージュたったのか、量産体制に持ち込んだ事は言うまでも無い。

そんな物語を勝手に想像しながら、ジョルジュ・ファーヴル＝ジャコが150年以上前に見た同じ北の夜空に輝く一点の☆を見つめ、このステンのずっしりとした重みを腕に感じながら、頂点という名の下にゼニスを意味したことを心で分かち、バーボン片手に今宵は、語ってみてはいかがでしょうか。

【コンディション】
日差±60秒、ゼンマイ、ガンギ、テンプのチェック済み、クロノグラフ完全稼動、0ポジションOKの最高の一品のムーブメント3ヶ月保証お付けいたします。ダイアルは経年のヤケがダイアルのコーナー部分にございます。スクリューバックケースにアタリキズございます、ケースには目立つキズも無く最高なコンディション