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MODEL | アウリコスト タイプ20 フランス軍緩急モデル”本物” クロノグラフ 1-55 5.099 – 54 802189 |
MOVEMENT | Cal.2040(Lemania 15TL) |
AGE | 1954年製造 |
MATERIAL | ステンレススティール |
SIZE | 38mm/横径リューズ含めず×45mm/両ラグ先端まで |
伝説フリーガー/フランス軍本物★アウリコスト タイプ20★Cal.2040
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1870年頃から続く軍用時計の歴史は、時計発展の歴史と大きく関わってきたことは紛れもない事実であり、イギリス、ドイツ、アメリカ、フランスを中心に時計の緩急品としての位置づけが固まることで、戦争では必需品となっていったのは紛れもない事実である。その中でもフランス軍用は海軍での使用がほとんどで、第二次世界大戦で本格的な軍用の採用となっていったが、当初ドイツ軍の指揮下ということもあり、ドイツ時計の影響を深く受けている。特にその影響を受け、独自の世界を築きあげたのは第二次世界大戦後であるが、”タイプ20と21”という規格の存在は世界的に大きい存在であったであろう。当然その影響のせいか、クロノグラフの秒積算計はフライバック機能を持ち、ドイツにも劣らぬそのスペックは、8秒という日差(24時間)、クロノグラフは1分あたり0.2秒、30分での誤差は0.5秒以内と300回のクロノグラフ作動での誤作動を生じないことなど、世界的に類をみない厳しい検査を潜り抜けなければならなかったのは言うまでもない。その中でもフランス軍用ご三家と呼ばれるのが、ブレゲ、アウリコスト、ヴイクサであろう。特にアウリコストは、マリンクロノメーター時代からフランス軍ご用達としてブレゲと並び、代表する軍用時計メーカーである。しかしその納入期間は1954年8月から1955年3月までのごく短い間となり、5000個足らずとかなり少ない、当然、現在では市場から消え失せ、幻とまでなっている存在だ、更にアウリコストは、バルジュー233を基本ベースのブレゲ、ドイツムーブメント59系のムーブに対し、レマニアというコストが非常に高いムーブメント会社に供給を依頼した。それが伝説となるフライバック機能のついた”キャリバー2040”である。特にその独特のテンプの空間から逃げるように創造されたブリッジの形状を見た瞬間わかるように、通常のクロノグラフの反対の配置となり、クロノグラフの作動時、オペレーティテング部分がない分、ダイレクトに伝えることができ、よくあるスプリングが外れることが全くない。当然クラッチングレバーもよりダイレクトに伝わることで安定したフライバック機能がを保つことが出来、リセットハンマーもリセットプッシャーからひとつのレバーを通じて伝わる為、全体的なアソビもなく、0ポジションの安定性までも実現した。更にそのブリッジのとおりテンプ部分を大きく開けることで、メンテしやすい特徴も持ち、パーツひとつひとつの作りもしっかりしており欠点を見つけることが出来ないという完成度の高い名機である。当時では軍を抜いたムーブメントであつたことは確かである。ムーブメントにまでアウリコストのカンパニーロゴが刻印されるのは当時の軍用としてはあまりないことである。
そんな伝説的存在として幻とまで言われた”J.AURICOSTE/アウリコスト”のTYPE20/タイプ20”、今回その正真正銘の本物、ダイアル針、ベゼル、ケース、ムーブメントに至るまで当時のまま、交換パーツ無しの状態も損傷のない奇跡的なコンディションである。当然ベゼルには、本物の証であるIWCのイギリス空軍官給マーク9やチュチマのドイツ軍官給フリーガーと同じアローのスケールトップが燦然とフリーガーであることを証し、そのスケールトップに塗布された夜光、インデックスの夜光、ペンシル針の夜光もすべて枯れ、その色合いが深い哀愁を感じさせてくれる。バックケースにはフリーガーのFGのイニシャルからメンテによりその都度、刻印された保証期間デイト、55年1月に支給された証、そして54年の製造年を示すナンバーの横にはフランス軍との契約ナンバー”5.099”そしてシリアルナンバーと続き、当然一般向けとして販売されない為、バックケースへのこの刻印は必須となるが、完全に当時のフランス軍の納入品である一品に間違いない。最高の軍用とはその時代の背景に生き、その中で人の思いを引き継ぎ、そして妥協のないクオリティーをしっかり持っていることではないだろうか。